スワヒリ娘のダル大留学奮闘記〜タンザニア人と“rafiki”になりたい!〜

スワヒリ語を学んでいる女子大生がタンザニアのダルエスサラーム大学に留学。リアルなタンザニアライフを綴る留学奮闘記。

ダルエスサラームで強盗の被害に遭いました。

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こんにちは!ルナです。

 

今日、タンザニアのダルエスサラームで強盗の被害に遭いました。まさか自分のブログにこんなことを書くことになるとは思っていませんでした。

 

強盗被害についての基本情報をまとめます。

  • 日時:2019年6月6日 昼の1時ごろ
  • 場所:ダルエスサラームのマサキ(外国人の多く住むエリア)
  • 被害:現金45000シリング(約2250円)、デビットカードから4万円、スマホのモバイルバッテリー
  • ケガ:一切なし

 

初めてこのブログを読む人のために補足すると、私はタンザニアのダルエスサラーム大学に留学している大学生です。これまでここで7ヶ月間生活してきましたし、国内旅行、海外旅行(ケニア)にも一人で行った経験がありますが、一度も危ない目には遭っていませんでした。

 

それでは、強盗の経緯を説明します。

 

お昼過ぎ、私は、ダルエスサラームのマサキにあるティンガティンガ村で買い物をするために、ダラダラ(乗合バス)に乗り、近くのバス停まで向かいました。マサキは、外国人の多く住むエリアで、美味しいレストランがたくさんあるため、私はこれまで何度も訪れたことのある場所です。バス停からティンガティンガ村までは歩いて10分ほどで、もう何度も歩いたことがある道でした。

 

歩いていると、50代後半ぐらいのおじいさんが話しかけてきました。外国人は珍しいのでタンザニア人が挨拶をしてきたり、軽く世間話をすることはよくあることでした。彼は日本語を友達に教えてもらったことがある、と言い、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「どこからいらっしゃいましたか?」など、よくそんな表現まで知っているね、と感心するくらい、日本語のフレーズを知っていました。

 

彼は知り合いの教授のところへ向かう途中だと言っていて、ティンガティンガ村も通り道らしく、ティンガティンガ村まで付いてきました。到着すると、「日本語を話せる君と出会えてとても嬉しいし、教授に会った後にでも連絡を取りたいから、電話番号を交換しよう」と言われました。

 

これもタンザニアで生活していればよくあることで、余裕があれば時間をかけてでもちゃんと断るのですが、めんどくさい時は電話番号をあげていました。このおじいさんとも電話番号を交換し、「また連絡してね」と言われて、一旦別れました。

 

ティンガティンガ村で買い物を済ませ、もう一つの目的地である、スリップウェイショッピングモールに向かいました。2キロほどの道のりでUberを利用しようか迷ったのですが、最近歩いてないし運動がてらに、と思って歩いて行くことにしました。この道のりも何度か歩いたことのある道でした。

 

歩き始めて5分ほどすると、一台の車が私の前に止まりました。助手席には、さっきのおじいさんが乗っていて、私の名前を呼びながら手を振っていました。「るなー!どこに行くんだ?乗せていってあげるよ!」一度は断ったのですが、日本語を喋れるいいおじいさんだったし、偶然通りかかったんだなと思い、ほとんど警戒せずに車の後部座席に乗ってしまいました。

 

運転している人は教授のドライバーで、これから教授を迎えに行くところだけど、スリップウェイまで乗せていってくれると言われました。しばらく進むと教授が現れ、私の隣に座りました。彼は、「別に目的地があるから一旦そこを曲がってほしい」と言い、スリップウェイに向かう道から車は少し外れました。

 

車内では、教授から「どこから来たの?」と聞かれ、「日本だよ」と答えると、「パスポート見せて」と言われました。その教授にパスポートを渡しましたが、中々返してくれませんでした。その後すぐに車が停止し、教授が話し始めました。

 

「俺たちは、いい人じゃないんだ。俺たちが欲しいのはお金なんだよ。」

 

それを言われて私はパッと何を言っているのか理解できませんでした。パスポートを返してもらおうとすると、ぐーっと力を入れてパスポートを握られ、返してもらえませんでした。

 

そこでやっと私は、「あ、この人たちは強盗なんだ。」と気付きました。逃げようと思う間も無く、前に座っていたおじいさんが、車の中を強引に通って私を挟むように教授とされる男と反対側に座ってきました。

 

カバンの中を探られ、スマホ、財布、モバイルバッテリーが取り出されました。買い物をするためにいつもより多めに持ち歩いていたので、現金65000シリング(3250円)が取られました。そして、デビットカードを見つけられ、「ここにはいくら入っているんだ?」と聞かれました。「わからない」と答えると、暗証番号を教えろと言われました。

 

抵抗すると暴行されたりすると思ったので、正しい暗証番号を教えました。次にスマホからおじいさんの電話番号を消去するように言われました。バレないように番号をスクリーンショットしてから、強盗の目の前で電話番号を消去しました。

 

電話で呼ばれた男がもう一人空いた助手席に乗ってきて、強盗4人と私が車に乗っている形になりました。車はATMに移動しました。教授とされていた男が私のデビットカードを持ってお金を下ろしに行きました。

 

帰ってくると私にカードが戻され、車はまた走り出し、「お前を降ろしに行く」と言われました。道中、なぜかわからないですが、おじいさんが私に現金20000シリング(1000円)を返してくれました。

 

人気のないT字路に車が停止し、車の進行方向と90度違う方向の道に歩いていくように指示されました。車のナンバープレートを見ようとしたのですが、一人の男が私より先に降車し、車のトランクを開けて、ナンバープレートが見えないようにしていたので、確認できませんでした。

 

車は走り去り、私は解放されました。その後すぐに大使館の知り合いの人に泣きながら連絡し、たまたまお家が近くだったので、そこで休ませてもらいました。その後警察署に行き、ポリスレポートを取得しました。

 

怪我等は一切なく、結局盗られたのは現金45000シリング(2250円)とデビットカードから引き落とされた4万円とモバイルバッテリーのみでした。スマホやパスポート、デビットカード本体は盗られませんでした。

 

以上が事件の経緯です。

 

アフリカにある程度慣れている人なら、またその手口か、と思われている方も多いと思います。日本語ができると言って近付いてこられ、車に乗ったが最後、ATMを連れ回される、という事件が何件も起きていることは、私も知っていました。

 

流しのタクシーには乗らずUberのタクシーを利用する、大きなリュックや肩掛けのバックは持ち歩かない、夜はむやみに出歩かないなど、治安が悪いとされるダルエスサラームで生活するために、防犯面には最大限気をつけてきたつもりでした。

 

そんな私でも、被害に遭ってしまった。

 

今回、私が被害に遭ってしまった最大のポイントは、約2キロの距離でUberを利用することをためらったことです。歩ける距離だから、歩いたことのある道だからという理由で歩くことを選択してしまいました。

 

おじいさんと再開して声をかけられた時に車に乗らず、その場から逃げきるというのは、今考えてみると難しかったと思います。さらに、徒歩約25分という、微妙に遠い距離も、私が車に乗ることをためらいにくかった原因だと思います。

 

正直、めちゃくちゃ悔しいし、めちゃくちゃ申し訳ないです。

 

「怖い」とか「危険」といったアフリカのステレオタイプをなんとかして変えていきたい。もっとアフリカの色んなことを知ってほしいと思って情報発信を頑張ってきた7ヶ月でした。ちゃんと防犯をすれば、危険な目に遭うことは避けられるのだと、自信を持って言ってきました。

 

やっとアフリカに行ってみたいという声をもらえるようになってきていたのに、私自身が「怖い」とか「危険」と言ったイメージをさらに大きくしてしまったと思います。

 

この記事を書くかどうかも迷いましたが、やはり一つの事実として、文章にし、これから同じような被害に遭う人を減らすことが私がやるべきことだと思いました。

 

タンザニアは、アフリカは、どこもかしこも危険なわけでも、だれもかれも悪い人なわけでもありません。ステキな人が、文化が、沢山あります。自信を持って言えます。

 

ただ、こういった被害が起きやすいこともまた、事実であるのだと思います。

 

私のことを知ってくれている人たちにはとても心配をかけましたが、私は強盗に遭ったその日の夜にこの記事を書けるくらい、ある程度肝の座った人間です。残りの留学生活、より一層気を引き締めて、今後このような被害に遭わないようにしたいと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。