スワヒリ娘のダル大留学奮闘記〜タンザニア人と“rafiki”になりたい!〜

スワヒリ語を学んでいる女子大生がタンザニアのダルエスサラーム大学に留学。リアルなタンザニアライフを綴る留学奮闘記。

タンザニアトップの大学に留学して私が感じたこと。

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こんにちは!ルナです!

 

私のタンザニア生活もあと1週間ほどで終わってしまいます。

 

今回は、10ヶ月半タンザニアで「留学生」として生活した私がどんなことを感じたのか、書いていきたいと思います!

 

この留学期間で、考えたことや感じたことはたーくさんあるので、以下について、順番に話していきたいと思います。

 

目次

  • 楽しかったこと
  • 辛かったこと、しんどかったこと
  • ギャップを感じたこと
  • 留学して良かったと感じたこと
  • これからダルエスサラーム大学に留学する人たちへ

 

楽しかったこと

この留学で私が一番楽しいと感じていたのは、スワヒリ語を話している時や、教科書では習わなかった表現に出会った時です。

 

私は日本の大学でスワヒリ語を専攻していて、留学に来るまでにスワヒリ語を2年半も勉強していました。文法は網羅していたし、単語もいっぱい知っていたけど、やはり頭で理解するのと、口から言葉にして出すのとは全く違っていて、留学初期は言葉に本当に苦しみました。

 

仲良くなりたいし、相手のことを知りたいのに、言ってることが分からない、自分の言いたいことが伝えられないというのは、かなりもどかしいものでした。

 

でも、スワヒリ語が公用語であり、タンザニア人のほとんどがスワヒリ語を話せるという、多民族国家が多いアフリカではかなり稀な言語状況にあるこの国で暮らしていく中で、スワヒリ語力は勝手に上がっていったように思います。

 

だってじゃないと生活できないから。英語が得意でない人も多いこの国では、スワヒリ語を話せるということは外国人にとって本当にプラスになることだなと感じました。

 

そして、ただスワヒリ語を使うのではなく、言語学的な観点から、スワヒリ語の面白さや奥深さを感じれたこと、教科書には載っていない、生きている言語を感じられたことも、私にとってはものすごく大きな収穫となりました。

 

スワヒリ語のコミュニケーションにおいて、何よりも一番大切なことは、「挨拶」です。日本語なら、こんにちはの1往復で終わってしまいますが、タンザニア人は、2、3往復は当たり前。握手をしながら長ーい挨拶をします。目上の人には、ちゃんと敬意を示す挨拶をします。道ですれ違っただけの人でも目が合えば挨拶をします。

 

用もないのに電話をかけてきて、今何をしているのか、どこにいるのか聞いてきます。家を出るときは「どこにいくの?」と聞かれ、家に帰ってきたら「どこに行ってたの?」と聞かれます。

 

最初はこの長ーい挨拶も、大して意味のない会話も、嫌で嫌で仕方ありませんでした。なんでそんなに私のことベラベラしゃべらないといけないの?って思ってました。でも、これに慣れてくると、このやり取りは心地よくなってくるのです。全然知らない人なのに、目があったらなんとなく挨拶しちゃう。

 

このように、コミュニケーションをしている時や、冗談言って手を叩いて笑っている時が、私にとって一番楽しかった時間でした。

 

辛かったこと、しんどかったこと

一番辛かったのは、私が「外国人」でしかないという現実です。

 

このブログのタイトルにもあるように、タンザニア人と友達になりたい!利害関係など一切ない関係を彼らと築きたい!という思いから、私はタンザニアに留学しにきました。

 

そんな私は留学当初、タンザニア人になることを望みました。現地の学生と同じ寮に住み、現地の人が来ている服を着て、歩き方や立ち方をマネしてみたりして。もちろんスワヒリ語も同じように喋れるようにがんばりました。

 

でも、どんなに見た目を寄せても、同じ言葉を話しても、私は「外国人=ムズング」でしかなかったのです。彼らは、外国人はみーんなお金を持っていると思っています。ただの学生である私でさえもです。私に求婚してくる男の人が欲しいのは、私自身ではなく、その後ろにあるお金であることがほとんど。

 

このタンザニア人にお金に対する感覚をなかなか受け入れられず、そのことを重く重く捉えてしまった私は、正直に言って、うまくタンザニア人と関わることができませんでした。よっ友はたくさんいたし、連絡先も50件以上交換したけど、なんでも話せちゃうような友達も、恋人も結局できませんでした。

 

もっと軽く考えればいいんだよ!という言葉をたくさんいただきましたが、これを軽く考えられないのが私という人間でして、ここの合わなさは今私が「タンザニア人と仕事をするのはちょっとな〜」と思っている原因だと思います。

 

ギャップがあったこと

  • 良いギャップ

思っていたより意外と大変じゃなかったな〜と思うことは、「不便さ」です。大学の寮で暮らしていた私は、断水や停電を頻繁に経験しました。一番ひどい時だと、半月間蛇口から水が出なかったこともあります。

 

しかし、これは予想ができる不便なのです。水が頻繁に止まるのだと分かっているならバケツに水を汲んで常備しておけばいい。3日ぐらいはそれで生活できます。その水がなくなって初めて不便なんです。その頃には、一瞬だけでも水が出たり、給水車が来たり、なんだかんだ水が手に入る方法がある。

 

バスに時刻表がなく、いつ来るか分からない、いつ着くか分からない状況だって、分からないことが分かっているから、いくらでも備えができるわけです。

 

予測できる不便はもはや不便ではなかったので、あまりそこにストレスは感じないようになりました。

 

これは都会のダルエスサラームだからかもしれませんが、物も大概手に入ります。本当に買えないのは日本食くらいで、私がタンザニアに来る前は売っていないと思っていた、洗濯バサミも、電池も、爪切りも、カラダ洗うタオルも、ヘアアイロンだって、買えちゃうんです。これはいいギャップでした。

 

  • 悪いギャップ

思っていたより状況が悪かったのは、大学の授業やシステムです。タンザニアトップの大学に留学した私は、日本の東大に留学したつもりでした。貧困層に目が行きがちなアフリカで、その国のトップレベルの学生が集う大学で、彼らの話を聞き、同じ授業を取ってみたかった。

 

しかし、フタを開けてみれば、何年もあるはずの授業登録のシステムは全然機能してないし、プリントが配られないので、学生はずーっとノートに先生が言ったことを書き写してるし、休講メールはないわ、先生は1時間の授業に10分遅れてきて10分早く終わるわ、テストの時の物の持ち込みには無駄に厳しいわ、、もーーーー!なんじゃこの大学は!!!って感じでした。笑

 

変に高みを目指して来てしまった私にとっては、この落差はあまりにもショックで、どうしていいのかわかりませんでした。一度踏ん切りがついてからは、期待しないことと、逃げることを選択できるようになることで、そのストレスを感じないようになれました。

 

留学して良かったこと

1つ目は、暇だったことです。

 

日本にいるときは、バイトして授業いって飲み会行って遊んで、またバイトして、ずっと何かの予定に追われていました。一週間後の予定が決まっていないことなんてまぁなかった。それは充実しているようで、淡々と流れていっているだけの毎日だったように感じます。

 

しかし、タンザニアに来てみると、バイトも出来ないし夜は出歩けないし、大して遊びに行く場所もない。必然的に、ぐーっと考える時間、自分と向き合う時間が増えました。何か困難や嫌なことに対峙したとき、それがどうして嫌なのか、その困難から逃げてもいいのか、向き合うべきなのか、ちゃんと考えて選択することができるようになりました。

 

なんとなくでやることがなくなったことで、ちゃんと自分の意見が持てるようになりました。そして、私の意見を言うことは、人の意見を聞かせてもらうことにも繋がりました。どこか流されながら生きていた私に、夢ができて、卒業後やってみたいと思えることが見つかったのです。

 

2つ目は、日本人との出会い。

 

タンザニア人との関係には苦労しましたが、日本人に関しては本当にたくさんの出会いに恵まれました。タンザニアという地で、自分が好きだな、楽しいなと思う気持ちに従い、それを仕事にしている人にたくさん出会いました。それがかっこよくて仕方なかった。こんな生き方をしたい、してもいいんだなって思いました。

 

そして、同世代の学生たちも。アフリカに興味を持つような学生なんて全然いないと思っていたし、なんなら自分の所属する専攻以外にはいないんじゃないかぐらいに思っていたけど、意外といたんです。アフリカを舞台に何かやってやろうとしてる学生が。

 

かなり高確率で気の合う人ばかりで、日本にいたら、10人出会って1人か2人気の合う人がいれば良いところだけど、タンザニアでは10人会えば8人とは気が合った。日本に帰ってもまた絶対会おうねと、社交辞令なしで言える人、またアフリカで会えたら面白いねって言い合える人たちにたくさん出会いました。それは、「アフリカ学生会」というコミュニティの立ち上げにも繋がりました。

 

これからダルエスサラーム大学に留学する人たちへ

さて、これは、特にスワヒリ語専攻の後輩たちへ。なんなら一年半前にダルエスサラーム大学への留学を決めた私に言ってあげたいメッセージです。

 

まずは、選択肢を広げましょう。スワヒリ語専攻が留学できる大学はダルエスサラーム大学だけではありません。どうせ提携してないし交換留学でもないんだから、ダル大にこだわる必要はどこにもない。留学にこだわる必要もありません。ボランティアもインターンもあります。お金がそんなになくても海外に住めるシステムはあるし、奨学金も色々あります。

 

ただ、スワヒリ語をちゃんとやりたいなら絶対タンザニアがいいです。スワヒリ語が公用語になっている他の国々も回りましたが、やはりこの国がスワヒリ語においては最強の学びの場になることは間違いない。

 

そして、アフリカで留学生という立場を取るのもなかなかいい選択です。行きたい時に旅行に行けるし、自由だし、後ろ盾がない分、逆にたくさんの大人の本音の話が聞けます。留学生でこんなに社会人と交流させてもらえるのも、アフリカにいる日本人という狭いコミュニティの中だからこそですよ。

 

そして、選択肢を広げた上でダルエスサラーム大学を選んだ人!ここに本気で学びに来ようとすると、たぶんがっかりしちゃいます。真面目にやろうとしても疲れちゃってしんどいので、ある程度要領よくやってみましょう。本当に嫌なことはやめていいです。その代わり、空いた時間で、あなたのやりたいことがきっと見つかるはず。

 

以上!タンザニアのトップ大学に留学した私の感想まとめでした!長いのに読んでくれてありがとうございましたー!